古傷を掘りおこしてみた。

自己開示

街中で男の人の集団とすれ違うと「怖いな」と思うことがある。
ヤンキーとかガラ悪そうとかいうことではなく、普通の人たちなのに怖いなって思う。

で、よくよく考えてみたら、男の人自体が苦手っていう話を姉とした事があった。
その時は「男の人を《オス》として見てしまう」と姉に話したのだが、この《怖い・苦手・オス》という感覚はある出来事が原因になっていると気づいた。

今日はそのお話。
重い話になるので、苦手な人はここで閉じてください。

※この記事は、過去の自分に寄り添い全てを受け入れていくことで私自身を癒すことを目的としています。

ある出来事

小学6年生の頃、一人で電車に乗り習い事に通っていた。

当時住んでいた場所から習い事先までは、乗り換えが1回ある地下鉄で約50分。
習い事先からの帰りの電車は、比較的いつも空いていた。

朝早くから出かけて2時間ほどレッスンを受け昼頃に帰る。
レッスンの後は大抵疲れているので、席の端に座って寝ながら帰るのが通常だった。

その日もいつも通り隅っこの席が空いていたのでそこに座る。
電車はがら空きがったので、自分の横に荷物を置いた。
しばらくして、男の人が車両を移動してこちらに向かってきた。
席は他にも空いていたが、なぜか私の横に座る。
私・荷物・男の人、と並んでいる状態。
何となく自分の荷物がその人の横にあるのが気になったので膝の上に移動させた。
私・隙間・男の人、の状態。
そのちょっと後に、隣の男の人は荷物を網棚の上に置くために立ち上がり、座り直す。
2人の間にあった隙間、なくなりました。
本当にピッタリ横に座ってきた。

この時点で『他にも席あるのに、なんでだ?』とちょっとは思ったよ。
でも『座席詰めて座るのが普通か』とか思ってあんまり気にしなかったんだよね。
ちょっと気になりつつも眠くなり、そのまま寝てしまった。

起きた時、太ももに何やら違和感。
あ、触られてる。
そう思ったものの、膝の上には自分の鞄があり手が乗ってるか確認できず。
鞄をどかして確認する勇気も出ない。
どうしよう、と思いつつ、何気なく隣の人の本の中身を読む。
…エロ小説やないかーい!
いや、実際はこんなツッコミ口調ではなかったけど、『エロ小説読みながら小学生の太もも触るってどーなのよ』とは思った。
子供だから抵抗されず触れると思ったんだろうねぇ。
嫌な大人だな。

さてどうしよう。
手を引っ掻いてやるか、捕まえて駅員さんに突き出すか。

色々考えたけど、所詮小学生女子ですよ。
対抗する勇気は持てない。
考えてる間に次が降りる駅になったので、座席から立ち上がって逃げるのが精一杯だった。

自分の心配より他人の心配

地元の駅に着いてからね、『やっぱり駅員さんに突き出すべきだった』って後悔したのよ。
っていうのも、私が降りてからその男の人、車両移動してたの。
つまり、次のターゲット探しに行ったってことでしょ?
常習犯だったわけだよ。
私が捕まえなかったことで他に被害者が出たかもしれないって思うと、勇気を出せなかった自分が嫌になっちゃった。

でも、相手は大人だし、周りに人もいなかったからそもそも捕まえるのは危険だったかもしれない。

ただ、自分が怖い思いをしたとか気持ち悪かったとかの感情をしまいこんだのは良くなかったかも。
悪い奴を捕まえられなくて、他に悲しい思いをした人がいるんじゃないかって、そっちばかり気にしてた。

傷つくには十分すぎた

被害としては太ももを触られただけ。
それでも小学生女子の心に傷をつけるには十分すぎる出来事だった。

恐怖・不安・対抗できなかったことへの後悔
太もも触られただけなら大したことないって自分に言い聞かせたり。
自分の心の中は多分グチャグチャで、最終的に《なんでもないこと》として全部奥に押し込んだ。

それと同時に自分を《性的な目で見られる存在》として位置付けてしまった。
男性を《オス》だと感じてしまうのは自分が《メス》になったから。
その思い込みのせいで、その後も数回、変な人引き寄せちゃったのよね。

ちなみに、電車に乗るのも怖いと感じる事がある。
多分それも、この出来事があったから。
精神的に弱ってた頃、電車の中でパニック起こしそうになった事も。

隣に知らない男の人が座ると緊張する。
右隣の人の肘が当たるのもすごく嫌。
チカンしてきた男の人が座ったのが私の右側だったから、体が覚えてて勝手に反応するんだろうなぁ。

今できること

過去にあった出来事はなくす事ができない。
でも、過去の傷を受け止めることはできる。

押し込めた感情のせいでこじらせた思い込みをなくして、自分の周りに集まる男性は一緒にいて心地いい人だけになるように設定を変える。
35年間生きてきて、嫌な男に会ったのなんてほんの数回で、他の男性はいい人が多かった。
そういう人達との出会いや関わりにフォーカスすればいいだけ。

おわりに

自分で感じてた以上に傷が深かったみたい。
あの時、あの瞬間、自分を労れなかったことを自分に謝った。

そして男性に対しては『どーせ男なんて…』と諦めモードでした。
ごめんなさい。
これは完全に私の中で感情を押し殺していたのが原因。
世の中には素敵な男性がたくさんいる事も知っている。
私の周りにも女性の活動をサポートしてくれる素敵な男性が沢山いる。
もしかすると今回の気づきは、私の周りに素敵な男性が増えたからこそ見えてきた事なのかもしれない。

この記事を書く前に《敵対するものではなく共存するもの》という言葉が出てきた。
すぐに180度気持ちが変わるものではないけれど、自分自身に勾玉セラピーして、いい方向に進めたらいいな。

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